• acoco

ローマの宮殿に残る刺繍空間

更新日:2019年1月27日

オードリーヘップバーン主演の「ローマの休日」という映画をご存知の方は多いかと思います。

舞台はタイトル通りイタリアのローマですが、その映画のラストシーンを飾った場所がこの「コロンナ宮殿」です。

ローマにある個人所有の宮殿の中でもとりわけ大きく、長い歴史のある宮殿です。

当宮殿の建築は5世紀にも渡って展開されたため、それぞれの時代を象徴する建築様式が採用されているという興味深い建物でもあります。

映画はモノクロですが、実際のコロンナ宮殿はまさに豪華絢爛という言葉にぴったりの宮殿で、価値のある芸術品が所狭しと展示されています。

(観光客でも毎週土曜日の限られた時間帯に見学することができます)

そのコロンナ宮殿の中に、360度刺繍に囲まれた「リカーミ(刺繍)の間(Sala dei ricami)」という部屋があります。

この部屋には、壁面いっぱいに絹糸と金糸で縫われた見事なインド風タペストリーが飾られています。


その部屋の中央には、立派な刺繍の天蓋があり、それも全面刺繍が施されています。

この天蓋はコロンナ家とパンフィリ家間の婚礼の際に作成されたもので、両家の紋章が大きく描かれています。

17世紀に作られたというこの巨大な刺繍の空間はまさに圧巻です。

絹糸は管理が大変難しく、ちょうど良い温度と湿度を保ちつつ、虫食いからも守る必要があります。

保存が難しいもののため、展示されているタペストリーや同じく刺繍を施された椅子はところどころ切れたりほつれたり、色褪せたりしています。

椅子は特に、人が座ったり背もたれとして使う摩擦もあるので、その分劣化は激しくなります。

とはいえ、これが4世紀も前に作られたと考えると、これだけ絵や色が現存されているものを見れるのはやはり感慨深く、当時の色鮮やかな状態の刺繍を想像すると心が躍ります。


モチーフは鳥、猿、草花がメインで、まるでジャングルの中に迷い込んだ気分になります。

鳥は孔雀や鳩、鸚鵡などさまざまな種類が描かれていました。

天蓋の刺繍は特に色鮮やかに残っています。

おそらく作られた当時は金糸の色がもっと鮮やかに輝いていたことでしょう。

(2018年2月時点)

刺繍の歴史は大変長く、世界中でなんらかの形でこれまで残されてきています。

歴史の中で残されてきた刺繍作品を知ることで、その土地やその時代を知るきっかけにもなります。

La broderie chante(ラ・ブロドリーシャント)のブログでは、このように旅先で出会った刺繍作品もご紹介していきます。

ブログを通して、皆様と刺繍の旅をする気持ちで更新していこうと思います。

そして、機会がありましたら、皆様も実物をご覧いただければ幸いです。

閲覧数:14回0件のコメント