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プシュケとアムールの寓話【Psycheシリーズの由来から】

更新日:2020年6月8日

先日の記事で、蝶々モチーフのアクセサリーを「プシュケ」シリーズと名付けたことについてお話ししました。

今回は、そんなプシュケの由来になっている、ギリシャ神話の物語についてお話ししたいと思います。


少し長くなりますが、この物語を通してプシュケのことをもっと深く知っていただければ嬉しいです。

********************************** ある王国の王様と王女様の間に、3人の美しい娘がいました。


特に末っ子の娘「プシュケ」の美しさは格別で、信者たちが礼拝をおろそかにしてしまうほどだったと言います。


そのことに激怒したのが美しい女神アフロディーテ。


アフロディーテは自分の息子のアムール(またの名をエロスやクピドともいう)に、


「あの娘が愚かな男と恋に落ちるように、恋の矢を射る」ように指示をし、イタズラ好きのアムールはプシュケの元に矢を持って行きました。


ところが、プシュケのあまりの美しさに慌てたアムールは、なんと恋の矢を自分自身に射ってしまい、アムールはプシュケに恋をしてしまいました。


一方、プシュケがいつまでも結婚する兆しがないことを心配した国王が、預言者アポロンに相談に行くと、恐ろしい神託を聞かれます。


「プシュケは人間の男と結婚することはできない、彼女は山の頂上にいる怪物と結婚する」


プシュケの両親が悲しむ中、怪物に嫁ぐことを決意したプシュケは、西風ゼピュロスに抱きかかえられながら山の上に嫁ぐのです。



恐ろしい怪物との生活は、何が待っているのだろうと思っていると、プシュケを迎えたのはとても美しい宮殿でした。


プシュケが宮殿に入っていくと、どこからともなく声が聞こえました。


「ここにあるものは全てあなたのもの。自由に使ってください。」



美しい宮殿で、何不自由ない生活をするプシュケでしたが、ひとつだけ疑問が残っていました。



夫となったはずの"怪物"は夜に暗くなると部屋にあわられ、日の登る前にいなくなってしまうのです。


姿を見たいと頼み込んでも決して見せてくれないことに疑問は感じつつも、そんな夫は優しく生活は豊かで、プシュケは夫の言いつけに従って彼の姿を見ることなく過ごしていました。



そんなプシュケもだんだんとホームシックになってきたため、ある日2人の姉をこの宮殿に招待しました。

そう、これがプシュケの人生を大きく変えるきっかけになるのです。




想像もしていなかった豪華な暮らしを目の当たりにした2人の姉は、嫉妬ごころでプシュケにこういいます。


「怪物は贅沢な生活をさせて、お前を太らせてから食べるつもりなんだ」

「食べられる前に首を切ってしまわないと」



ここでプシュケの心にも改めて「疑い」の心が芽生えます。


その夜、夫が眠っている隙に、プシュケは短剣とオイルランプを手に持って夫の眠る姿を見ました。



すると、そこには噂に聞いていたような恐ろしい怪物ではなく、白い羽を持った美しい神様が眠っていたのです。それがプシュケに恋に落ちたアムールだったのです。


あまりの出来事にびっくりしたプシュケは、手に持っていたオイルランプからオイルを一滴落としてしまい、それがアムールの肩に落ちてしまいました。


驚いて目覚めたアムールは、全てを察し、すぐさま飛び立ってしまいました。


プシュケが呼び止めると、振り返ったアムールは、


「愛と疑いは同居できない。私は神の一員であるが、あなたにはひとりの男としてだけ見て欲しかった。」


止めるのも虚しく、アムールは飛び去ってしまいます。




自分の疑いの心を悔いたプシュケは、アムールの母親アフロディーテの元に相談しに行きます。


プシュケの存在をよく思っていないアフロディーテは、そんなプシュケに「夫を返して欲しければ」と無理難題を押し付けます。



プシュケのことを哀れに思った他の神々の手助けもあり、アフロディーテの難題を次々にクリアしていったプシュケ。


最後の難題は、冥界の女王ペルセポネから美の秘宝を手に入れて、中身を見ずに持ってくるようにというものでした。


無事にペルセポネから美の秘宝を手に入れたプシュケですが、帰りの道中で好奇心に負けてしまい、その秘宝を開けてしまいます。



するとそこに現れたのは美の秘宝ではなく、冥界の眠り(=死)。

なんとプシュケはその場で倒れてしまいます。



一方、やっと傷の癒えたアムールは、アフロディーテの宮殿を飛び出し、愛しいプシュケを探していました。


そこで眠ってしまったプシュケを発見し、箱に眠りを閉じ込め、自分の矢で軽く突いてプシュケを目覚めさせました。




そのままプシュケを連れて、父親である大神ゼウスの元に行き、プシュケと結婚したいことを伝えました。


ゼウスもプシュケの美しさに納得し、妻のアフロディーテの反対を退けて2人の結婚を認めます。


ゼウスは不老不死の霊酒ネクタルをプシュケに飲ませ、プシュケは神々の仲間になったのです。



その後2人の間には子供が生まれ、"ヴォルプタス(悦び)"という名前がつけられました。

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プシュケの物語を聞いたのははじめて、という方もいるかもしれませんが、この絵はご覧になったことがある方は多いと思います。

これは「プシュケとアムール、子供たち」というタイトルの絵画ですが、まさにこの物語の主役である2人が子供の姿で描かれた作品です。


プシュケの背中には蝶々の羽が生えていますね。



プシュケ(Psyche)はギリシャ語で「蝶々」という意味で、「心・魂」と訳される場合もあります。

英語のPsychic(精神的な)や、Psychology(心理学)の語源にもなっているそうです。




アムールは「愛」を意味するのはご存知の方も多いかと思います。



目に見えない「愛」はやってきて「魂」を優しく包んでくれる。

けれど人間は、目に見えないものを信じ続けるのが苦手な生き物です。


目に見えない「愛」を信じられずに「疑い」という目(ここでいうオイルランプ)を向けると、愛は傷つき去ってしまう。



女神となったプシュケは、今では悩めるカップルの愛の象徴として、

「愛とは信じることである」と伝えている役割を担っています。




個人的に、ギリシャ神話と西洋絵画が昔から好きだったのですが、プシュケとアムールの絵画も知らないうちに昔から親しんでいました

(その絵の意味までは深く知らなかったもので・・・)


たまたま、蝶々モチーフのアクセサリーを作り、ふさわしい名前はないだろうか…


と悩んでいたところでプシュケのことを知り、調べていくと自分がかつて好きだった絵画の数々がプシュケを題材にしたものだと知って、運命を感じました。


そんな経緯から、プシュケは私にとっても特別な存在です。





身に着ける皆さまが、大切な人(恋人でも夫婦でも、友人や家族でもいいと思います)とお互いに信じて愛を与えあえることができれば…


それは素敵なことだなぁと思いながら、この蝶々をお贈りします。


長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!


acoco

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